気候変動の緩和

温室効果ガス削減に向けた総合的なアプローチ

持続可能な社会の実現に向けて、深刻化する気候変動を重要な課題と捉え、対策の強化に取り組んでいます。当社では気候変動対策として、再生可能エネルギーの導入と温室効果ガス排出量の削減を進めています。

再生可能エネルギーの導入

事業活動における環境負荷の低減、脱炭素化の推進を図るため、当社は、全社のエネルギー消費に対する再生可能エネルギーの割合を2026年度までに100%に引き上げることを目指しています。

2022年度には、本社ビルで利用する電力について再生可能エネルギー100%の調達を開始しました。2024年10月からは社内の消費電力量の約 90%を占めるデータセンターや、西日本事業所においてバーチャル PPAを締結し、当該事業所で使用する電力に活用しています。データセンターにおけるバーチャル PPA の採用は、情報システム業界、特に iPaaS 提供ベンダーにおいて先駆的な取り組みとなりますが、これにより当社全体における再生可能エネルギーの利用が実現されました。

PPA(Power Purchase Agreement:電力購入契約):電力需要家がPPA事業者から再生可能エネルギーを直接購入する契約形態(再生可能エネルギー電気に係る非化石証書譲渡)
バーチャル PPA:電力需要家の敷地外に建設した発電所で発電された再生可能エネルギーの環境価値のみを仮想的に電力需要家が調達する手段
<消費電力量に占める再生可能エネルギー電力比率>
2023年度 2024年度 目標(2026年度)
消費電力量に占める
再生可能エネルギー電力比率
9.0% 20.6% 100%
再生可能エネルギー電力の利用は、2022年度より開始
バーチャルPPAによる調達分は、2024年度期中より反映

省エネルギー設備の積極的な導入

オフィスにおける省エネルギー設備の導入や運用効率の最適化を行い、電力消費量の削減を推進しています。本社ビルでは、人感センサー付きLED照明の導入により、電力使用量が59%削減されました。

温室効果ガス(GHG)排出量の実績と目標

当社は、2030年度までに温室効果ガス排出量Scope1※1およびScope2※2についてネットゼロの達成を目標としています。

<温室効果ガス排出量(Scope1・2・3※3)>
(単位:t-CO2
2023年度 2024年度 目標(2030年度)
Scope1 13.41 0.12% 13.76 0.18% ネットゼロ達成
Scope2 2,032.56 18.58% 1,160.76 15.39%
Scope3 8,892.38 81.30% 6,367.25 84.43%
合計(Scope1・2・3) 10,938.35 100% 7,541.77 100%
※1Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
※2Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
※3Scope3:企業活動を分類した15個のカテゴリ、その他(任意)により構成されるScope1・2以外の間接排出(算定事業者の活動に関連する他社の排出)
2024年度分より温室効果ガス排出量の算定方法を変更し、Scope3の一部カテゴリについては総排出量配分方式を採用しています

社員の意識向上のための取り組み

気候変動に関する社員の知識や理解を深め、業務とつながりを考える機会として、すべての社員を対象としたeラーニングの実施や、社外有識者を外部講師としたセミナーを開催しています。また、サステナビリティ推進委員会のメンバーによる定期的な社内ポータルサイトでの発信を通じ、気候変動を自分事として捉えることを促し、社員の意識向上を図っています。

循環型社会の推進

廃棄物の削減による資源の効率利用および循環型社会の推進

世界人口が増加する中、有限な地球資源を効率的に利用した上で、排出された廃棄物の循環利用を推進することが必要となっています。当社は、循環型社会の推進に際し、3R(リデュース、リユース、リサイクル)の視点が重要であると考え、取り組んでいます。

オフィスにおける廃棄物の削減に努め、分別回収やリサイクル活動を継続的に推進しています。廃棄物の排出を最小限に抑えるため、紙利用を減らすとともに、デジタル化を図っています。紙利用の削減については、オフィス移転を行った2017年以前と比較して約77%の削減を達成し、全体の廃棄物量は同比較で約64%の削減を達成しています。また、本社ビルから搬出されたリサイクル可能な廃棄物については、100%近い再利用率実績があるとの報告を受けています。

さらに、社員が利用する仕出し弁当の容器は、リユース食器を基本としており、廃棄物が発生しない取り組みを徹底しています。また、ペットボトルはなるべく利用しないことを推奨しつつ、排出されたペットボトルごみは、100%回収しリサイクルをしています。

防災・減災対策の推進

いかなるときもサービスを止めない事業継続体制の強化

2011年の東日本大震災などを経て、いかなるときもサービスを止めない事業継続計画(BCP)の重要性が謳われてきました。各社、地震や火災などの災害時に業務が停止しないよう、準備を進めています。

当社においても、データセンターを堅牢にし、遠隔地でバックアップをとるなどサービスが継続されるよう取り組む一方で、帰宅困難な社員が安心して就業できるよう、災害時の備蓄などにも取り組んでいます(防災備蓄品については、消費期限を迎える前にフードバンクへの寄付を行っています)。震度5強以上の地震発生時には自動的に安否確認システムが作動し、すべての社員とその家族の状況確認を迅速に行うこととしています。年に1回行う安否確認の訓練では、4時間以内にすべての社員の安否が確認できるようにトレーニングを行っています。このように、事業基盤であるデータセンターの適切な運用や社員の安全確保を通じて、事業継続に向けた体制強化を図っています。